2012年1月16日月曜日

カーブで遊ぶ



債券のディーラーはそりゃ毎日飽きもせず債券を売買しているわけですが、その手法のひとつに「カーブプレイ」なるものがあります。イールドカーブが寝たり(フラット)起きたり(スティープ)するのを利用して儲けましょうというやつです。


※データは適当

要するにカーブの中で割高ゾーンをショートして割安ゾーンをロングするという、一種のアービトラージみたいなもんですね。


※データは適当

このチャートは各年限ごとの利回りのスプレッドの推移の例。単位はベーシスポイント(1bp=0.01%)です。値が大きくなるほどカーブがスティープ、小さくなるほどフラットしているということ。
5y-10yのカーブはこのチャートの期間の中では下限レベルまでフラットニングしているということで逆張りの5yロング10yショート、とか、10y-20yはまだフラットする余地がありそうだから10yショート20yロング、とか、このふたつを組み合わせて5y-10y-20yでポジション作るとか、そんなことを考えるわけです。また7y-10yのスプレッドがあまり動いていない部分はつまり、7y(≒先物)と10yがパラレルに動いているということです。

毎日毎日、血眼になって割高割安を探しにいっちゃぁポジション作って、カーブの動きに一喜一憂して、時には自分に不利な方向にカーブが動いて股裂き食らったりしてるわけです。身体に悪いお仕事ですよw

2011年12月31日土曜日

2011年を振り返る


まずは2011年のJGB先物のチャート(出所:http://www.opticast.co.jp/)。まぁ確りでしたね、といったところ。
今年の四本値は

O:140.70
H:143.14
L:138.32
C:142.41 (※手元のメモベースw

んでは、ざっくり振り返り。

前年のマーライオン相場のオーバーシュートからやや切り返していたものの、景気回復期待が強く、株価も堅調に推移、年初の債券相場は上値の重い展開でスタートした。2月に138.32まで売り込まれるが、ここが今年のボトム。現物10年債が1.35レベルを付けたところで底打ち。
3月11日には東日本大震災が発生。JGB先物は上下に長いヒゲを作る乱高下を演じる。当時のことはこの辺りで書いている。振り返れば、あのときバンバントレードできなかったのが悔しいけど、モニターがぶっ倒れてきたりしてそれどころではなかったw

保険屋さんのリパトリ話で円高進行、株安債券高の展開を見せるものの、震災からの復興財源として国債増発の観測が高まったり、キャッシュ確保らしき債券売りも出て、春にかけては再度重たい相場展開を見せる。
原発事故絡みで東電が逝ってしまい、一般債のスプレッドも一時居場所がわからなくなりワイド化したが、公共債周りでは東京都のT+15ぐらい発行でいったん切り返した記憶がある。
東京電力に係るエダノ発言には多くの市場関係者が怒りを爆発させたものでしたねぇ。。

春に2月安値を試しにいった債券相場は2月に買い逃した投資家の買いも入り底を打つ。4月底打ちで「去年と同じ展開かなぁ」という声が聞こえてきていたし、その後の展開はまさにそういうもので、秋まで続く上げ相場のスタートになった。

夏場にかけてギリシアに端を発した債務問題はイタリアやスペインといった周縁国に波及。米国では債務上限問題がクローズアップされデフォルト云々の話まで取りざたされる。8月にはS&Pが米国債の格下げ(AAA→AA+)を行ったが、株安からの債券高という面白展開。経済指標は悪化を確認するターンとなり、景気に対する楽観論も後退していった。

6月に予定通りQE2を終了したFRBは新たな金融政策を模索、オペレーションツイストなる奇策に打って出る。中銀自らがフラットニングポジションを組もうという話だから、当然、債券市場は先んじてブルフラットニングしていた。9月にツイストが発表されるとUST10yは一時1.7%レベルまで買い進まれたが、さすがにその後は2%絡みの展開。

海外の流れを受けて半年近い上昇を続けてきたJGBは、前年のトラウマが甦り先物143円/10y1%割れが上値を押さえる。一方で売り材料も乏しく、結果的に秋頃はレンジワークを見せる。国内要因では民主党代表選挙が行われ、野田新首相が誕生した。

海外では銀行のファンディング懸念が浮上。BNPパリバのドル資金調達難が報じられたり(その後、否定)、デクシアが解体され、MFグローバルが破綻。自己資本強化の為のデレバレッジは今後も明るくない話題としてテーマになるのだろう。気付けばUSD3mLIBORは7月から上昇傾向が続いていた。(出所:http://www.bloomberg.com/)


ギリシアではパパンドレウ首相が包括戦略の受け入れを国民投票にかけると発表、お笑い国家の本領を発揮する。イタリア国債利回りが7%台に到達、フランス国債も売られ独仏スプレッドが過去最大をマークするとともに、銀行株が次第に息をしなくなっていく。リスクオフ極まり、JGBもレンジを上抜けるかに見えたがそう単純なものではなかった。

11月にJGB先物の取引システムがTdex+に変更されたこと、ドイツ国債入札でまさかの札割れ(利回りが低過ぎたから引いただけでしょ、と説明された)を契機にJGB先物は1円を超える急落を見る。長い上昇相場とその後続いたレンジワークでポジションがややロングに偏っていたのか、その下げ足は非常に速かった。141円台央/1.10%目前まで売り込まれたところで現物買いが沸いてでてきたことで、前年のようなマーライオン相場になることはなかった。去年のトラウマが反省として市場参加者の頭に焼き付いているのだろう。

年末、R&Iが国内格付機関として初めてJGBの格下げ(AAA→AA+)を行うが、「で?」といったところ。


ボンド周りの出来事をざっくり振り返るとこんな感じでしょうか。

欧債務問題の深刻化と全世界的な景気の鈍化、また日本の震災をはじめ多くの自然災害に見舞われた一年。


日銀は度重なる金融緩和政策を実施して、資産買取基金は今後もホイホイ拡大していきそうな感じ。実際のところ、これ以上基金オペ回すのは結構しんどいと思うんですけどね。ETF買入とかに振り向ける方向はどうかっつーと、あれって評判よろしくないみたいだし、「評価損ナンボ」みたいなニュースも打たれちゃうしねぇ。
為替介入も何度かありましたね。「納得いくまで」で79.19に貼付けたのかどうか、中の人に聞いてみたいものですw
政治に目を向ければ、交付国債という新ネタを見つけてしまったどうもアレな感じがしてます。代表選のとき、野田さんは財政再建論者ってことでJGBも買いで反応したけど、少しずつでも確実に「その時」が近づいてる感あるし、今年はそれが少し加速したんじゃないのかなぁという気もします。外から見てたらJGB売りで攻めたくなる気持ちはわからんではない。


なわけで、盛りだくさんな2011年お疲れ様でした。来年も適当に駄文を垂れ流していこうかと思っとります。
クレクレは甘え。鰻は合法。よいお年をお迎えください。

2011年10月22日土曜日

【ネタ】ユーロの取り扱い説明書

EUR FX trading guide.......

1. Put your hand on a EBS key pad
2. Open your Reuters news
3. When you see red color headlines contains; Germany, IMF
4. Press Sell button
5. DO NOT READ THE CONTENTS
6. When you see a red color headlines contains; ECB, France
7. Press Buy button
8. NEVER READ THE CONTENTS
9. Make sure your end of day risk is flat

Twitterでまわってきた小ネタ。
@dandykawase さんという方のtweetでした。


爆笑www

2011年10月10日月曜日

債券ブローカーと呼ばれる人たち

鷹鳩さんが為替のブローカーに関する記事を書いていたので、債券市場のブローカーのことでも書いてみようかと。どうでもいいけど、ブローカーって何やら怪しげな響きですな。

ブローカーってのはいわゆる仲介業者のことでして、そもそもは証券会社なんかが「ブローカー」です。投資家と市場との間に入って仲介しとるわけですから。運用業界の人達、特に株のFMさんやトレーダーさんなんかと話してると、この意味で「ブローカー」という言葉が使われるように思います。

債券市場におけるブローカーってのは、ブローカーのブローカーです。わかりにくい言い方をしました。銀行や証券会社(ひっくるめて業者=そもそも的な意味でのブローカー)の売り買いを仲介して成立させる人たち、これが債券市場の「ブローカー」です。
債券市場には取引所がないですから、こういった人たちの存在が不可欠なのですよ。業者同士で売り買いすることももちろんあるんですが、いちいちお友達の業者さんに電話して「これいくらで売る?買う?」なんてやってちゃ日が暮れますのでね。

JGBであれば、最大手の日本相互証券と、先に統合を発表したセントラル短資証券とICAP東短証券てのがあります。日本相互証券が通称BBと呼ばれるのは「ブローカーズブローカー」の頭文字をとったもんです。たぶん。
この3社がそれぞれに取引システム(要するに「板」)を提供していて、債券ディーラーはこの板に出ている気配を見ながら売買を行います。先物も含めれば取引用だけで4台もモニター見てなきゃいけないんですね。あぁ大変w

債券ディーラーの席にはこれらの板以外にも、マイクやスピーカーが置いてあって、ブローカーさんが板に出てる気配や板に出てない(オフの)気配や、どの銘柄がいくら出合ったか、なんかをずーーーーーっと実況中継してくれる声が流れてきます。ボイスってやつです。
マイクを使って、いちいち電話鳴らさずに双方向の会話をすることも可能。自分が売り注文を板に出してるときなんかに、「今オフで買いにきてます!」って言われたりとか。このへんは為替のブローカーと似てるかな。

債券市場がいかに人力で動いてるか、わかっていただけたでしょうか?w 最近じゃ先物の動きにあわせて現物のオーダー出すアルゴなんかもあるとは聞きますが…。

同じ銘柄でもこっちのブローカーではこの値段だけどこっちのブローカーではこんな値段付いてるよ、なんてことも時々起こるんですが、まぁそこで裁定とりにいくのってほぼ不可能。そんなミスプライス付いてるのって、大概はその一発しか取引が成立しないような流動性ない銘柄ですからねー。

ブローカー(特にBB)の板とボイス、場合によっちゃメールなんかも使って、非常にグレーな状態で取引するのが債券ディーラーというお仕事。店頭で飛んできた注文は時として、買い板ぶったたくような値段で売ったり、売り板とるような値段で買ったりしなきゃいけない場合もあります。えぇ、社畜ですから…。

2011年9月5日月曜日

カーブは手前から

「オペレーション・ツイスト」なる言葉が市場を賑わしていますね。FRBの次なる一手はこれじゃないかと注目されています。

じゃぁ、何がツイストするの?

って話ですが、答えを言ってしまうとイールドカーブです。イールドカーブとは何かってのはggrksWikipedia先生がこのように仰っています。よーするに債券の利回りを年限ごとにプロットしたグラフのことです。利回り曲線と日本語訳されますね。債券市場の人間は往々にして単に「カーブ」と称します。

イールドカーブは通常(?)右肩上がりの曲線を描きます。日本も米国もドイツも右肩上がりのカーブです。ギリシアとかはまぁアレなんでひとまず無視してください。
@mazyoshiさんの#investudyに米国債のカーブが載ってたので引用がてらリンクしておきます。2番目の図、ご覧の通り右肩上がりですね。

さて

イールドカーブの傾斜がきつくなることをスティープニング、カーブが寝ることをフラットニングといいます。イールドカーブがスティープするということは、残存期間が長い債券が売られて利回りが上昇することで発生します。。フラットニングはその逆。

オペレーション・ツイストが実行された場合に目指すのは、米国債のイールドカーブをツイストフラットさせることです。オペレーション・ツイストの解説として「残存期間の短い債券を売却し、より長い債券を購入する」などという表現がされていますが、これがまさしくツイストフラットニングのアクション。
短い債券を売ることで利回りが上昇し、一方で長い債券を買うことで利回りが低下する。イールドカーブの動きを想像してみると、捻れるようにしてカーブがフラットニングしています。つまりツイストフラット。

FRBは既に金融緩和政策として債券の買入を行っており、そのB/S上に多額の債券を保有しています。オペレーション・ツイストを行うのであれば、FRBの保有債券のうち残存期間の短いものを売却し、より長い債券を市場から買い入れるというアクションにでます。
この世界には「中央銀行には逆らうな」という言葉がありまして、かつ、「次なる一手」を織り込むようにして、米国債のカーブは順調にフラットニングしてきています。

債券ディーラーがここで何をしているかといえば、オペレーション・ツイストを織り込む過程で更にカーブがフラットニングする方向に賭けて中短期債ショート長期債ロングのポジションを作る、あるいは、既に織り込んだものとして逆張りで中短期債ロング長期債ショートのポジションを作る、なんてことをやってるわけです。前者をフラットナー(あるいはフラットニングポジション)、後者をスティープナー(あるいはスティープニングポジション)とか言います。こういったイールドカーブの変動に賭けてポジションをとることをカーブプレイなんて言ったりします。

米国債利回りは無料のBloombegアプリ等で見れますが、注意深く見ていますと、10年債や30年債の利回りは低下(債券価格は上昇)しているのに2年債利回りは小幅に上昇(債券価格は下落)していることが最近ではよくあります。まさにツイストフラット。フラットナー優勢ですね。

長いゾーンの金利低下を促すことによる景気への波及効果のトランスミッションメカニズムについては、祇園さんのブログを参照されたし。とまぁ丸投げもアレですので一部引用しますと

”モーゲージ金利を低く抑えることで、新規購入の望みは薄いものの、リファイナンスは促進される。モーゲージ金利負担が軽減されれば、消費にもいくらかの効果が出てくる可能性もある”

という話でありますよ。

さてさて

現状でもFRBは緩和的な金融政策を堅持しているわけです。FRBが短い債券の売却に走るとはいえ、中短期ゾーンの需給を破壊してマーライオンを引き起こすことなど狙ってはいないでしょう。ツイストフラットを目指す、とは言いましたが、そのツイストアクションはおそらく、中短期ゾーンの利回り上昇幅よりも大きな長期ゾーンの利回り低下を導くものと想像します。
多少のぶれを除外すると、ただのブルフラットニングじゃねぇかというツッコミが飛んできそうですね。ブルフラットってのは債券が上昇するなかで長いゾーンの金利が低下するカーブアクションのこと。

ではなぜ、FRBが「短い債券を売って」長い債券を買うという面倒なことをするのではないかと想像されているのでしょう?

勘のいい方はそろそろ気付いてると思いますが、買いの一方で売りを行うということは、ポートフォリオ全体の規模は維持されることになります。ポートの中身だけが入れ替わり、ポート全体のデュレーションが長期化することになります。FRBのB/Sのサイズは維持されることになりますわね。

これって、FRBのB/S拡大は更なる次の一手として温存してるのかなぁ。なーんて邪推をしてみるテスト。チンピラ債券ディーラーの戯言ですのであまり真に受けないように。

しかしまぁ、カーブを手前から潰していくなんて動きをみると、どっかの国を想起せざるを得ませんなぁ。「長めの金利の低下を促す」なんて某日系の中央銀行みたいじゃないかw

2011年7月31日日曜日

This Time is Different...?

前に書いた怒りの東電ネタから気付けば2ヶ月以上が経ってしまいました。そろそろ忘れられた頃かと思いますので久々に書いてみんとす。タイトルは最近話題の一冊「国家は破綻する」の原題からもじって付けてみました。

さて、ねじれ国会の様相を呈する中、アメリカの連邦債務上限引上げ問題が難航していますね。ホワイトハウスと共和党が前提合意に達したとの報道もありますが、最終的にどういった形で着地するのかなお不透明な状況。足元では米国債のデフォルトや格下げが取りざたされるようになってきたわけです。
こういった状況を受けてドルや株が売られる一方、本丸である米国債は売り込まれるどころか底堅く、何ならリスクオフで買われるというオサレにも程がある展開となっています。格下げだデフォルトだなんて米国債市場の材料になってないよね、とお友達のディーラーさんとこないだも話してました。

そもそも国家の債務がここまで注目されるようになったきっかけはギリシャでした。前政権の”隠れた借金”が暴かれたことで信用力が失墜、ギリシャ国債は貸金業法もビックリな利回りを示すまで売りたたかれ、既に投資不適格どころではないところまで格付けが引き下げられることとなりました。言ってみりゃデフォルト待ち状態。(この辺の話についてはGLOBALMACROneoさんに良記事がありますのでフィードリーダーに登録推奨という名の丸投げ)
抜本的解決策などまるで見えないなか、事態は次第にポルトガル、スペイン、イタリアといった国々へと波及し始めています。あっちの国に追加支援が決まったかと思えばこっちの国の国債がゲロゲロマーライオン。その度にユーロは買われては売られ、その間にスイスフランが最高値をマークしたりしてるわけですね。最近では欧州ネームの銀行等との取引が制限されるケースもあるようです。

では債務残高が法的に決めた上限に達し新たな国債の発行ができないまま利払いや償還を迎えようとしている米国債はどうなるのか。ギリシャのような道を辿るのか。

結論は「No」でしょう。

というのは、米国債に死んでもらっては困る人があまりにも多いから。米国債市場は非常に巨大であり、また世界中から参加者が集まっています。ギリシャなんぞ比べ物になりません。言葉は悪いですが、ギリシャ国債なんぞ投げたら終い、あとは勝手にしてくださいの世界です。
が、米国債であればそうはいきません。世界中が米国債を投げ売ったとしてもそのマネーを受け止める市場なんぞ存在せんのです。世界に誇る公的債務残高をもつJGB(笑)もありますが、あまりの低金利っぷりに選択肢から外れるのが現状。
また米国の歳入が予想を上振れ、とりあえず目先の資金繰りには問題がないと見る向きも少なくなく、また米国債の利払い・償還を優先することでデフォルトを回避すると見る向きもあるようです。

要するに、本当の意味でアメリカがデフォルトに陥るという事態は誰も実現したくないが故に実現しないのではないか、という結論。万が一、目先の利払いや償還が実行されず理屈の上では債務不履行になり、格付けが引き下げられたとしても、「だから何?」で終わるんではないかと思うのですが楽観的すぎるでしょうか?
また債務上限に達したから引き上げ達したから引き上げ、ではどーしょーもないので、裏側では緊縮財政が議論されています。これは景気下押し材料になり債券市場をフォローするものになりますね。債券需給という面からも。となれば金融政策は緩和的なものをキープせざるを得ないでしょうねぇ。。。と漠然と考えてたら、著名エコノミスト氏も同様のビューでちょっと安心したのはここだけの話ですw

ちなみに、この問題に関して、現地アメリカでマーケットを見てる方とも少しやりとりしたのですが、AAAであることとそこから落ちることではやはり違いは大きい、金利上昇圧力になるのではないか、とご教示いただきました。
でもドルや株が売られる中で米国債が買われているという市場のアクションがあるわけで、それが全てだと思うんだけどなぁ…というのは円債市場の住人の思い込みなんでしょうかね?

何にしろ、この債務上限引上げ問題がどういった着地を見いだすのか、そのとき為替は、株は、債券はどう動くのか、何パターンも頭の体操はしてみてはいますが、どうなるのかは開けてみなきゃぁわからねぇというのが正直なところです。


とまぁ思いつくまま適当に書いてみましたが、相変わらずの駄文垂れ流しっぷりに自分でも呆れてしまいますね。
足元の米国債市場を眺めて、債券市場の末席を汚す人間としては「まぁそうでしょうねぇ」という感覚だったのですが、別の角度から市場を見てる方から「(売られないのが)不思議だ」という意見をいただいたので、こういったエントリを書いてみた次第です。

じゃあGDP比2倍近い債務がある日本はどうなのかって?そりゃこんなガラパゴス極まりないマーケうわなにをするやめろアッー!

2011年4月5日火曜日

債券レポ-SC編-

ふたつのレポ、GC編に続いてSC編です。レポの話としてはこちらが本丸かも。
SCとは「Special Collateral」の頭文字をとったもの。前回の冒頭で触れたようにモノありきのレポ取引です。

結論から言えば「空売りする為の現物債を借りる」取引です。株式同様、債券を空売りする際には誰かから売る為のモノを借りてこなければいけません。モノを借りる為にレポ取引を利用するわけですが、ここでは貸借取引の対象となる債券の銘柄が特定されています(#313を50億借りたい、とか)。よってSpecial Collateral。

ショートする人は必ずモノを借りるか買い戻しで踏まなきゃいけないわけですから、SCにおける仕上がりのレポレートはGCに比べて低くなります。とだけ書いてもワカランチ会長だと思いますので説明を。

『レポレート=現金担保に対する付利金利−債券の貸借料』であるいう話は前回もしました。より正確に言えば、レポレートは現金担保に対する金利と債券の貸借料のバランスを反映して決まるわけです。
GCは資金の運用・調達マーケットですから、品貸しに大きな意味はありません。しかし、SCはモノの貸し借りのマーケットですから、付利金利に対する貸借料のウェイトがGCに比べて高くなります。「銘柄何でもヨシ」ではなく「その銘柄貸してくれ!」なわけですから当然ですね。

需給が逼迫した銘柄の場合、レポレートがマイナス金利になる場合もあります。レポ取引では、債券の借り手からすれば現金担保を差し出して付利金利を受け取るとともに債券を借り入れて貸借料を支払うわけです。需給が逼迫した銘柄の貸借料は高騰します。付利金利<貸借料となるまでに需給が逼迫すれば、その銘柄のSCレポレートは結果としてマイナスレートになるわけです。ギョーカイではこの状態を「ネガティブ」といいます。
大口の買いが入ったとか、貸借料高騰狙いで誰かがガメたとか、入札前にリオープンを見越して売りまくってたら相場が動いてリオープンしなかったとか、そんなときに起こる現象です。

以前にも入札に絡めて書いたことがありますが、入札前はプライマリーディーラーを始めとする業者は入札対象近辺の銘柄に売りを入れることが多くあります。売るからにはSCで借りなければいけません。が、多くのディーラーが借りにくるわけですから、入札対象近辺の銘柄の貸借料が高くなりがちです。
以前は、2年債以外の国債は毎月20日が発行日とされていました。10年債は毎月初旬に入札が行われるわけですが、それに前後して空売りされた既発債や入札時にショートのまま発行までに買い戻しが済んでいない新発債については、貸借料が上記の理屈で高騰しがちでした。入札日から発行日までの相場変動があると思ったように買い戻せなかったりするわけです。
これを防止するため、国債の償還がある3、6、9、12月を除いては、国債入札日の3日後(T+3)の発行に変更されました。上記リスクを減らそうという意図ですね。3、6、9、12月は20日の発行日を維持したのは償還資金流入による円滑な国債発行消化を重視したためと推察する次第。

毎度、取り留めのない文章ですが、SCってのはこんな感じです。大人の事情で書けないこと山盛りのマーケットですので、これ以上の話はオフの場でw