2011年12月31日土曜日

2011年を振り返る


まずは2011年のJGB先物のチャート(出所:http://www.opticast.co.jp/)。まぁ確りでしたね、といったところ。
今年の四本値は

O:140.70
H:143.14
L:138.32
C:142.41 (※手元のメモベースw

んでは、ざっくり振り返り。

前年のマーライオン相場のオーバーシュートからやや切り返していたものの、景気回復期待が強く、株価も堅調に推移、年初の債券相場は上値の重い展開でスタートした。2月に138.32まで売り込まれるが、ここが今年のボトム。現物10年債が1.35レベルを付けたところで底打ち。
3月11日には東日本大震災が発生。JGB先物は上下に長いヒゲを作る乱高下を演じる。当時のことはこの辺りで書いている。振り返れば、あのときバンバントレードできなかったのが悔しいけど、モニターがぶっ倒れてきたりしてそれどころではなかったw

保険屋さんのリパトリ話で円高進行、株安債券高の展開を見せるものの、震災からの復興財源として国債増発の観測が高まったり、キャッシュ確保らしき債券売りも出て、春にかけては再度重たい相場展開を見せる。
原発事故絡みで東電が逝ってしまい、一般債のスプレッドも一時居場所がわからなくなりワイド化したが、公共債周りでは東京都のT+15ぐらい発行でいったん切り返した記憶がある。
東京電力に係るエダノ発言には多くの市場関係者が怒りを爆発させたものでしたねぇ。。

春に2月安値を試しにいった債券相場は2月に買い逃した投資家の買いも入り底を打つ。4月底打ちで「去年と同じ展開かなぁ」という声が聞こえてきていたし、その後の展開はまさにそういうもので、秋まで続く上げ相場のスタートになった。

夏場にかけてギリシアに端を発した債務問題はイタリアやスペインといった周縁国に波及。米国では債務上限問題がクローズアップされデフォルト云々の話まで取りざたされる。8月にはS&Pが米国債の格下げ(AAA→AA+)を行ったが、株安からの債券高という面白展開。経済指標は悪化を確認するターンとなり、景気に対する楽観論も後退していった。

6月に予定通りQE2を終了したFRBは新たな金融政策を模索、オペレーションツイストなる奇策に打って出る。中銀自らがフラットニングポジションを組もうという話だから、当然、債券市場は先んじてブルフラットニングしていた。9月にツイストが発表されるとUST10yは一時1.7%レベルまで買い進まれたが、さすがにその後は2%絡みの展開。

海外の流れを受けて半年近い上昇を続けてきたJGBは、前年のトラウマが甦り先物143円/10y1%割れが上値を押さえる。一方で売り材料も乏しく、結果的に秋頃はレンジワークを見せる。国内要因では民主党代表選挙が行われ、野田新首相が誕生した。

海外では銀行のファンディング懸念が浮上。BNPパリバのドル資金調達難が報じられたり(その後、否定)、デクシアが解体され、MFグローバルが破綻。自己資本強化の為のデレバレッジは今後も明るくない話題としてテーマになるのだろう。気付けばUSD3mLIBORは7月から上昇傾向が続いていた。(出所:http://www.bloomberg.com/


ギリシアではパパンドレウ首相が包括戦略の受け入れを国民投票にかけると発表、お笑い国家の本領を発揮する。イタリア国債利回りが7%台に到達、フランス国債も売られ独仏スプレッドが過去最大をマークするとともに、銀行株が次第に息をしなくなっていく。リスクオフ極まり、JGBもレンジを上抜けるかに見えたがそう単純なものではなかった。

11月にJGB先物の取引システムがTdex+に変更されたこと、ドイツ国債入札でまさかの札割れ(利回りが低過ぎたから引いただけでしょ、と説明された)を契機にJGB先物は1円を超える急落を見る。長い上昇相場とその後続いたレンジワークでポジションがややロングに偏っていたのか、その下げ足は非常に速かった。141円台央/1.10%目前まで売り込まれたところで現物買いが沸いてでてきたことで、前年のようなマーライオン相場になることはなかった。去年のトラウマが反省として市場参加者の頭に焼き付いているのだろう。

年末、R&Iが国内格付機関として初めてJGBの格下げ(AAA→AA+)を行うが、「で?」といったところ。


ボンド周りの出来事をざっくり振り返るとこんな感じでしょうか。

欧債務問題の深刻化と全世界的な景気の鈍化、また日本の震災をはじめ多くの自然災害に見舞われた一年。


日銀は度重なる金融緩和政策を実施して、資産買取基金は今後もホイホイ拡大していきそうな感じ。実際のところ、これ以上基金オペ回すのは結構しんどいと思うんですけどね。ETF買入とかに振り向ける方向はどうかっつーと、あれって評判よろしくないみたいだし、「評価損ナンボ」みたいなニュースも打たれちゃうしねぇ。
為替介入も何度かありましたね。「納得いくまで」で79.19に貼付けたのかどうか、中の人に聞いてみたいものですw
政治に目を向ければ、交付国債という新ネタを見つけてしまったどうもアレな感じがしてます。代表選のとき、野田さんは財政再建論者ってことでJGBも買いで反応したけど、少しずつでも確実に「その時」が近づいてる感あるし、今年はそれが少し加速したんじゃないのかなぁという気もします。外から見てたらJGB売りで攻めたくなる気持ちはわからんではない。


なわけで、盛りだくさんな2011年お疲れ様でした。来年も適当に駄文を垂れ流していこうかと思っとります。
クレクレは甘え。鰻は合法。よいお年をお迎えください。

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