2012年3月5日月曜日

「手口」はようワカランチ会長

先日、Twitterで、国債の「手口」(誰が売買しているのか)は、店頭取引なので、株式に比べるとわかりにくいと考えていたが、わかるものなのか、という旨の質問をいただきました。結論から言えば「推測はできるけど、集計データ等はない」と回答しました。

まず第一に取引の形態が株式とは異なります。債券の売買は店頭市場において相対で行われます。「相対取引」をggってみますと、

”売り手と買い手が市場を経由せずに、相対で交渉し、売買内容を決定する取引方法。”

という説明が出てきました(こちらのページです)。何やらグレーなニオイ漂う感じもしますが何のことはありません。取引所集中義務がないわけです。

上場株式等のように取引所取引の金融商品に関しては、プロから個人投資家まで誰もが同様の「板」を見て、証券取引所に注文を出して取引を行います。また裁定残高であったり大量保有報告であったり、先物やオプションの手口であったり、様々な情報が開示されています。
しかし債券の売買は上述のように相対取引でして、店頭で投資家さん等から受けた売買注文は、自己ポジションで受けます。日本相互証券やセントラル短資証券といったインターバンクの仲介業者は存在するものの、店頭での売買が全てインターバンクに現れてくるわけではありません。受けた玉をディーラーが”飲んで”しまえばその商いがあったかどうかは他の誰にもわからない。そんなもんを聞き出して集計するなんざ不可能です。

また、そもそも一口に「債券」と言っても、国債から地方債から財投債から金融債から事業債から、その銘柄数はあまりにも多過ぎます。日本証券業協会から日々発表される売買参考統計値というものがありますが、これをDLしてみてもらうと、その銘柄数の多さがご理解いただけると思いますが物好きな方以外はDLしても何も面白いことないと思います。
そもそも、現存する全ての銘柄が日々バンバン取引されているわけではありませんし、その全ての商いを捕捉して集計しようなんざよほどの暇人でもないかぎりふじこ

ということで、債券売買の手口として、公式な集計データなんてものは私の知る限り存在しないし存在し得ないもんではないかと思います。が、ある程度の推測は可能といえば可能です。

例えばJGBの入札の際、入札結果発表後には情報ベンダー数社が各入札参加者に聞き取り取材を行い、どの証券会社がいくら落札したのかを発表しています。あくまでも落札者の自己申告ベース、情報ベンダーの取材ベースの話ですので、その数字は参考データでしかありませんが、手口情報らしいものといえばこれでしょうか。

先ほど受けた玉をディーラーが飲んでしまえばわからない、と書きましたが、各業者は店頭売買において日々プライス争いをしてるわけで、そこでは誰が何をいくら買いにきてその引き合いを取った取られたを繰り返してるわけです。入札の日には業者は「平均落札価格での買い●●億」といった成行の注文を投資家さんから受けます。”アベ”とか呼びます。アッー!ではない。

入札に前後してどのゾーンが売られた買われたとか、入札でこの業者がガッツリ落札したとか、そういった情報を色々とこねくりまわしてると、誰がどんな売買をしてるかってのはある程度は想像が付くものです。また、債券ディーラーという人々は、同業のディーラーやブローカーと常に情報交換をしていますので、そのやり取りからも何となくは想像がつくものです(当然ですが誰が何をいくら売った買ったなんてことは言えませんが)。

といったところで冒頭の結論に戻ってきました。債券売買の手口は「推測はできるけど、集計データ等はない」ということです。
Twitterでもざっくりお答えしましたが、加筆して記事にしてみました。相対取引って何でもアリみたいな怪しげなイメージも持たれかねないですが、要はこういうことなんであります。

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